(この記事は2021年1月16日に更新されました)
「けテぶれを利用してサボっている子がいる・・・」
「けテぶれでは学習内容は子どもに任されているのでマンネリ気味で、できることしかやってこない・・・」
「確認したい内容があってもやらせることができない・・・」
今回はそんな悩みを持つ先生に向けて、書いていこうと思います。
こんにちは、たんくです。公立小学校の教諭をしています。
2020年の4月より、子どもたちのより良い学びの実現に向けて”けテぶれ”を導入しました。
タイトルでは【サボりマンネリ対策】と書きましたが、けテぶれは本来サボれるものです。
サボったからテストで点数が取れなかったということは当然のことでありその現実は子ども自身が受け止めなければなりません。
しかし待つことがなかなか難しいですよね。サボってばかりで我慢ができなくなってきたり、まったく頭を使わずにマンネリ気味で毎日同じことを作業的にしてくる子もいます。
また大切な学習をした後などは、どうしてもその内容の宿題を出したくなりますよね。
しかし宿題を指定してしまうと”やらされる”宿題の完成。
その狭間で悩んでいる先生に、テストカレンダーという解決方法をご紹介します。
この記事では、テストカレンダーについて、基礎から順番に書いていきたいと思います。
目次
テストカレンダーとは
名前の通り、テストの予定が書かれたカレンダーです。ぼくのクラスでは、毎月ごとに出していました。
いつ、何のテストが行われるのかが書いてあります。
9月5日 算数大テスト(あまりのある割り算 教〇〇~〇〇)
だから、子どもたちが自分で勉強の予定を立てやすくするためのツールです。
参考程度に、ぼくが実際に子どもたちに配ったテストカレンダーを載せておきます。
テストカレンダーのメリット
なぜテストカレンダーなんて作ったのか。その良さについて書いていきます。
学習計画が立てやすい
テストカレンダーの最大のメリットは、なんといっても子どもが計画を立てやすいことでしょう。
けテぶれを始めたばかりのときや、まだ自分で学ぶことが難しい子にとっては、かなり助けになるものです。
テストカレンダー通りに勉強しているだけでも、けテぶれは成り立つからです。
またテストカレンダー通りに勉強していれば、テストで合格点をとることができます。
”学ばされる”→”学ぶ”の間のステップとしてちょうどいい
ただ、これはテストカレンダーに勉強”させられて”いると捉えることもできます。
しかし、テストに向けてどんな勉強をするのかは、あくまで子どもに任されているので、自主的にやる宿題と、やらされる宿題の間のステップにはなるものです。
自分で自分の学びを作る過程は子どもが体験できるので、少しずつ自分で学べるようになっていきます。
テストカレンダーのデメリット
そんなテストカレンダーにも気をつけなければならないところがあります。
子どもたちの学びを充実させるためにも、ぜひ意識しておきたいところです。
テストが多すぎるとダメ
けテぶれを始めて最初の方は、ついついテストを多くしてしまいがちです。
しかし、次のパターンを考えてみて下さい。
毎日何かしらのテストがある。つまり、子どもたちはみんな毎日次の日のテスト勉強をしてくる。
このような状態であるとどんなことが起きると思いますか?
子どもたちは、自分の学びを考えるだけの余裕がありません。毎日次の日のテスト勉強です。
これだとかなり”やらされる”宿題に近づきましたね。
子どもにはもっと自分の学びを決められるようにするべきだと思っています。
実際僕はテストは週に1回か2回を目安に今は行っています。
(ちなみに参考であげているテストカレンダーは、けテぶれを始めて間もないころなのでわりと頻繁にテストが入っています)
テストが少なすぎても難しい
けテぶれを始めたばかりの子や、まだどんなふうにやればいいか分からない子はテストが少なすぎると困ってしまいます。
それは、次のテストまで自分に与えられた裁量が大きすぎるからです。
しかしこれは、何をしようか、どんなふうに学ぼうかを考えるゆとりはあるので、テストが多すぎるよりははるかにいいと思います。
ただ、上手くいかない子は、形だけを取り繕うことに必死になってしまうケースが多いです。
教師がある程度の見通しをもたなければならない
ぼくは、月ごとにテストカレンダーを作っています。
月ごとにした理由は、子どもたちにテストに向けて準備する時間を十分に与えるためです。
週ごとでも悪くはないのかもしれませんが、それだとテストまでの時間が短く、テストカレンダーに勉強”させられる”風になると感じたので月ごとにしました。
そこで、毎月テストカレンダーを配っていますが。教師にとって大変なのは1か月分の見通しを持たなければいけないということです。
特別支援学級に入級している子どもや、専科の先生との兼ね合いもあり、1か月分の見通しをもつのは、思ったより時間がかかります。
来月の見通しをなるべく持つようにしなければならないのが、大変かなと思います。
でも大丈夫!デメリット克服のために
テストカレンダーのデメリットを紹介しましたが、デメリット克服のためにどんなことができるのかを紹介していきます。
テストは適度に行う
毎日テストを行うのはやめましょう。
連続を避けましょうという意味ではありません。毎日を避けましょう。
毎日テストをやってしまうと、けテぶれを導入する効果は半減してしまいます。
けテぶれを始めたばかりの頃は少し多めでもいいですが、慣れてきたらテストを減らし、子どもたちが自分の学びに取り組む余裕を作ってあげましょう。
教員
いやいや、単元ごとのテストが、むしろ週に1回もなくて困っているんだよ!
という声が聞こえてきそうですね。
ぼくは小テストを取り入れています。自作です。
(ちなみにぼくは、単元テスト=大テスト、自作テスト=テストとして子どもたちに説明しています。)
漢字だったり、計算だったりいろいろです。
子どもの様子をみて、気になったり、確認しておきたいところをテストにするのがおススメ。
なぜなら、確認しておきたいところをテストカレンダーに載せたら、子どもたちは自分で勉強してくるからです。
テスト日の設定は余裕を持つ
見通しを持つとはいっても、1か月分も正確に見通しを持つのは難しいでしょう。
何でも計画はカツカツは良くないですよね。なにかがあっても計画通り実行できるように、余裕を持った日付を設定しましょう。
ぼくは、単元の最後の授業が終わる予定の日から、1週間は空けるようにしています。
それでもたまには、「テスト日に間に合わない」なんてこともあるでしょう。
しかし、間に合わないことが続いてしまうと、テストカレンダーの信用がなくなってしまいます。
そうなってしまうと、テストカレンダーに書いている通りに勉強しようという意欲がなくなってしまいます。
テストカレンダーを見て計画的に勉強をしてきたこの意欲をなくしてしまうのはもったいないことです。
そんなことが起こらないように、テスト日は余裕をもって設定しましょう。
まとめ
・テストカレンダーを作ることで、子どもたちに必要な学習のヒントをあげる。
・テストカレンダーは、自分で学んでいく力をつける階段としてちょうどいい。
・テスト日を多くしすぎないことや、先の見通しを持つ難しさもある。