教育

けテぶれに不可欠なたった一つの担任の考え方~待つ~

2020年9月22日

(この記事は2021年1月16日に更新されました)

「けテぶれを始めたのに学習がうまくいかない・・・」

「このまま続けていて大丈夫なのか・・・」

「早速保護者から疑問の声が上がりそう・・・」

そんな不安を持つ先生に向けて、今回は書いていきたいと思います。

 

こんにちは、たんくです。公立小学校の教諭をしています。

2020年の4月より、子どもたちのより良い学びの実現に向けてけテぶれを導入しました。

 

今まで、一斉のいわゆる”やらされる”宿題をやっていた子どもたちにとって、始めのうちは、けテぶれは難しいと感じます。

そして中には、けテぶれになったことによって学習量が減る子も出てきます。

 

さまざまなけテぶれに対してどのように考えるべきか、ぼくの経験で学んだことをまとめていきたいと思います。

視点① 学習量が減るのは悪いこと?

学習量が減ることは、決して悪いことではありません。量と成果をイコールでつなげてはいけません。

大切なのは、どんな計画を立て、目標に向かってどれだけ近づいたのかです。

 

やらされる宿題を1日50問やっていてもまったく頭を使っていなかったらなにも覚えていません。

それでは、成長したとは言えませんね。

視点② 主体的になっているかどうか?

主体的になっているかどうかは大切です。

主体的とは、自分の行動に自ら責任を持つことです。”やらさせる”から”やる”に変わることです。

 

「自分は漢字が苦手だから、漢字ドリルの4をやる」という計画をもって、漢字のけテぶれをしていたらどうでしょう。

たとえその日は、漢字ドリルの4(新出漢字3文字)をノート1ページにテストして練習までやってきていたら、それは自分で立てた計画であり、自分で責任をもって取り組んだ結果です。

 

1問でもしっかり頭を使って学習して、知識が定着していればそれは成長といえますね。

自分の苦手に向き合い、一歩でも前に進めたならその姿勢を評価してあげるべきだと思います。

 

自分で内容を決めるけテぶれで、苦手なことに向き合うこと自体すばらしいことです。

多くの問題や練習を作業的にこなしているだけでは、子どもの時間さえ無駄になってしまいます。

 

では主体的な姿を子どもから引き出すには、どのような考え方が必要なのでしょうか。

不可欠なのは待つ姿勢

主体的にするには、「待つ」ことが一番大切です。

これができなかったら、けテぶれうまくいかないと思います。

 

担任が一番大切にしたい考え方です。

では、「待つ」とはどういうことなのでしょうか。

どんな量でもどんな内容でも認める

特に始めのうちは、どれだけ量が少なくても、「よくやってきているね」「よくがんばりましたね」と認めてあげましょう。

少ないと怒られるのでは、結局はやらされる宿題となんら変わらないからです。

また、どんな内容でも認めることによって、学級に「自分の学習は自分が決められる」というメッセージを伝えましょう。

 

 

やらされる宿題をしてきた子たちにとっては、「なにをすればいいの?」という受け身の姿勢から、なかなか脱出できない子もいます。

見せる相手ありきの宿題ではダメなんです。

始めのうちはガンガン認めて、子どもたちに自分に向き合ってもらいましょう。

積極的にアドバイスを、しかし判断は任せる

漢字の文字の練習だけを毎日していると、やっている本人もきっと退屈になっていますよね。

字自体の練習ではなく、その漢字の”使い方”を意識させてみたり、2×2の4マスを使って、大きく丁寧に書くことを意識させてみたりすることはいいことです。

   

子どもはアイデアを求めています。特にけテぶれを始めて間もないときはそうです。どんな学びの仕方があるのかを知りたいのです。

しかし、アドバイス通りにやってみるか、試験的にやってみるか、まったくやらないかは子どもが選んでいいことです。

   

次の日も同じようにやってきて、「だからなんで言うとおりにやらないの?」という声掛けをしてしまうと、”やらされる”宿題の完成。

たんく
アドバイスはあくまでアドバイス。そこを忘れないようにしましょう。

火が付いた瞬間を見逃さない

学力上位層の子たちは、なんなくけテぶれをしてきますが、そうでない子たちは爆発力があります。

学力に不安がある子が、ある日突然ノート6ページやってきたのはびっくりしました。

しかも苦手な算数。

    

自分で学びを変えられると気づいた子は、けテぶれの質がぐっと上がります。苦手な教科をわざわざやってくるなんて向上心以外の何物でもない。

自分で自分を高めようとしている証拠ですよね。

    

急に爆発した日、オーーーバーーーーーにびっくりしてください。褒めてください。広めてあげてください。

頑張ったことを認めてあげることが大切です。それから何日もその子は苦手な算数を毎日目標を立ててたくさん取り組んでいました。

    

時間が経ってくると、爆発したときよりは量は減りますが、まったく問題ないです。

その子もそのペースだと疲れちゃいますし、自分で学びをコントロールできるということを知っているからです。

爆発するまで、「待って」あげてください。

まとめ

けテぶれは、「待つ」ことがすごく大事です。

始めたころは、うまくいかないし、自分で決められるから少しでもいいと甘える子どもだっています。

 

でもそれは、今まで”やらされて”きて、自分の学びの責任は自分にあることがわかっていないからです。

 

上手くいっていないと、「こんなことに意味があるのか」と保護者に言われそうで焦りますよね。

でも叱責するように指導してしまうと、”やらされる”宿題になる非常にきわどい問題です。

 

とにかく「待つ」

認めて自分の学びに責任を持たせる=主体的にすることを意識していきましょう。

「待つ」ことは口で言うほど簡単ではありません。ですが、その子の爆発を期待して毎日待つことが我々の仕事だと思っています。

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