(この記事は2020年12月29日に更新されました)
「子どもが理解できない・・・」
「子どもが動かない・・・」
「子どもに自主性がない・・・」
そんな悩みを持つ保護者や教員の方に向けて、今回は書いていきますよ!
目次
こんにちは、たんくです。
普段は公立小学校教諭として働いています。教員になって2年目です。学び方について興味を持ち、「けテぶれ」を導入したり、漢字指導改革をしたりしました。
けテぶれや漢字指導法の他にも、資産運用や自己啓発など様々なジャンルの本を読みます。ブログに書いているのでぜひご覧ください。
今回は子どもとのかかわりについての本を読みました。
「教師のための 子どもが動く!コーチング50」を読んでの感想や明日から生かしたいポイント、今までの自分とは考え方の違うところをまとめていきたいと思います。
著者について
本書は、神谷和宏氏の著書です。神谷氏は教育コーチングの第一人者と言われていて、公立中学校の教諭でもあります。
教員として働きながらコーチングを学び、現在はプロコーチとしても活躍しています。
本書の特徴
本書「教師のための 子どもが動く!コーチング50」の特徴について解説していきます。
本書は分かりやすく読めるように、いくつかの工夫がされています。
どんな工夫がされているのでしょうか。
ありがちな悩みを取り上げてくれる
ぼくは日々教員として働いていますので、本書にあるような悩みにとても共感しました。
「自分もこの悩みあるなあ」と思いながら読むので、どんどん読み進めることができます。
マンガ付きで分かりやすい
文章だけの解説ではなく、マンガもついていて絵でも簡単にわかるようになっています。
文章での説明が、つまりどういうことなのかをマンガで確認することができます。
分かりやすくておススメポイントです。
ポイントがまとめてある
「教師のための 子どもが動く!コーチング50」というくらいですから、ありがちな場面を取り上げたコーチング指導が50個載っています。
その50個すべてに”要するにこう!”という感じでポイントがまとめてあります。
解説の文章を読んでいると、どうしてもポイントを見失いがちですよね。
最後にポイントを短くまとめてくれているので、とても分かりやすいです。
すぐに行動に起こせるように簡単にまとめてあるなと感じました。
明日から生かしたいこと
ここからは、ぼくが実際に読んでみて”大事な考え方だなあ”と思ったり、”明日からでも生かしたい!”と思ったりしたことを5つ紹介します。
あなたもぜひこの考え方を取り入れてみてください。
やる気は持っていても湧いてこない
授業や宿題で、やる気がないのはよくあることですよね。
しかし放っておいてもやる気は高まりません。下がったままです。
やる気がないときの対処法は「とにかくやり始めること」です。
やる気のことはとりあえず考えずに、始めてみる。
「最初は4分だけやる」と決めてもいいです。
始めると少しずつ調子が上がってきて、もっと続けたくなりやすいんだそうです。
そうならなかったら4分でやめてもいいですね。とにかく始めることが大事。
始めるとだんだん続けたくなることを、作業興奮と言います。
心理学者クレペリンが提唱しました。
継続の秘訣は「いつでもうまくいかないこと」
子どもがゲームに夢中になるのは、いつも必ず勝つとは限らないからです。
大人がパチンコやギャンブルにハマるのも同じですね。
負ける経験こそが、勝ったときの印象を強烈にします。
失敗したときに心配するのではなく、うまくいったときに大きく褒めてあげるといいです。
テストでもいつも100点を取るような子には、先生問題を付けてあげるのもいいですね。
継続させたいことこそ、いつでもうまくいかないようにしてあげることが大切なんですね。
禁止されるとやりたくなる
これはカリギュラ効果といいます。
「触ってはいけません」とか「写真撮影はご遠慮ください」と言われると、やってしまいたくなります。
子どもならもっとそうですよね。
このカリギュラ効果を逆手にとって、望ましい行動を促すのも一つのテクニック。
「○○くんは絵を描くんでしょ?だから掃除をしてはいけません」というと、掃除をし始めたりするそうです。
もちろん高学年にも同じ手が通用するかは分かりませんが、持っていていいアイデアだと思います。
実はカリギュラ効果を使った指導を実際にみたことがあります。
小学一年生のA児は、みんなが並んでいるときでもジャンプし続けて並ばない子でした。
そこで担任の先生が「飛ぶのをやめちゃだめだよ。もっと飛んでください」と声をかけたところ、ピタリを飛ぶのをやめました。
言うことを聞かないことが目的なのか?と思うくらいでした(笑)
褒めるバリエーションを増やす
子どもの褒め方にはいろいろあります。
- 直接褒める
- 学級全体の場で褒める
- 友達を通して褒める
- 保護者を通して褒める
様々です。
直接褒めたり、学級全体の場で褒めるのは、褒めたい子どもにメッセージが届く確率が高いです。
しかし他人を通して褒めることはかなりパワーを発揮します。
本人に伝わるかどうかわからない面もありますが、伝わった時のパワーは強烈。子どもも大喜び間違いなしです。
結果ではなく過程を褒める
子どもを褒めるときに大事なのは、成長できたかを見ることです。
結果だけを見て褒めていたならば、褒める機会は激減してしまいます。
昨日30点だったテストが、今日は55点になりました。
結果だけ見ている人からすると、全然ダメな点数ですよね。もっと頑張らないといけないぞ!となってしまいます。
しかし成長できたかどうかを見ると、褒められるべき伸び方ですよね。
すごい成長をしました。
結果を見るのと過程を見るのでは、視点がまったく違ってきます。
過程を褒めていきましょう。
今までの自分の考えとは違ったこと
本書を読んでいく中で、今までの自分とは違う考え方にも出会うことができました。
それは、”人のせいにすることをあえて認める”ということです。
ぼくは日々子どもたちに「失敗を人のせいにしたら成長できませんよ」と言っています。
人のせいにすると自分の行動は変わらないからです。
しかし本書では、”時には人のせいにするのをあえて認めるのも必要”だと書いてありました。
ん?と思い、読み進めました。
人のせいにするときには、子どもなりのプライドがあるそうです。
自分以外のせいにすることで、自分のプライドを守っているときもある。
つまり場合によっては、言い訳に騙されてあげることも必要だという考え方を知ることができました。
この考え方を知ることができて本当によかったです。
目的は子どもに心からの振り返りをしてもらうことであって、子どものプライドを傷つけることではないはずです。
あえて言い訳に騙されてあげるという考え方をこれからは持ってきたいと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は「教師のための 子どもが動く!コーチング50」の内容を、教員の僕が自分なりにまとめてみました。
あすから早速生かしていきたい内容ばかりの良書。
どんどん行動できる子どもを育てて、未来の日本を明るくしていきましょう。