(この記事は2021年6月23日に更新されました)
「けテぶれを始めてみたいが、今のクラスでできるのか不安・・・」
「けテぶれを始めてみたいが、うまくいかなかったらどうしよう・・・」
「やはり高学年にならないとけテぶれは難しいのか・・・」
そんな悩みを持つ先生方に向けて、今回は書いていきたいと思います。
こんにちは。現在現役で公立小学校の教諭として働いている、たんくです。
3年生の担任をしています。今年の4月より、子どもたちのより良い学びの実現に向けて”けテぶれ”を導入しました。
けテぶれを実践しようとしている方のなかで、学年で悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
自分の持っている学年ではけテぶれは難しいのか、高学年にならないとできないのか。そんなことについて書いていきたいと思います。
ぼくも同じように悩み、多くの時間を無駄にしてしまったなあと思います。
小学3年生でけテぶれを行ったぼくの実践からの考察を書いていきます。
目次
たしかに高学年向きではある
けテぶれの内容は、メタ認知的な力がある程度発達していることが前提条件であると考えられます。
自分で計画を立て、テストをしたら分析をする中で、自分の考えや特性などを考えていくことがあるからです。
このことを考えると、確かに高学年向きではあると思います。中学生くらいになってくると安心ですが。
しかし、ぼくは高学年しかできないとは思いません。
けテぶれができるかどうかは、子どもの実態と担任の考え方次第だと思うからです。
学年が下がるほど難しくなるのは事実
自分を振り返る力がついてきたら、けテぶれでしっかり自分の学びをしていくことができるようになっていくと思います。
しかし、勉強自体を始めたばかりの1年生にけテぶれができるかどうかは分かりません。
まずは、勉強する経験を積むことが大切だと思います。また、語彙力や考える力の発達段階的に難しい可能性もあります。
けテぶれの目指す「学習力の育成」を理解することなく始めてしまっても、まったく意味がありません。
なにをすればいいか分からず、結局やらされる勉強になってしまったり、子どもを混乱させてしまう恐れがあります。
教師の考え方
今まで一斉の宿題を出していたことが正解だと思っているなら、けテぶれは実践しないほうがいいと思います。
担任の言動が一貫していないと子どもは混乱してしまうからです。
また、「学習量は多ければ多いほどいい」「決められたことをしっかりやってくる子が優秀な子」という考えを持っているならけテぶれはしないほうがいいでしょう。
けテぶれでは、教師が「待つ」ことがとても大切になります。
子どもを信じて待つことができるかどうか。教師の考え方次第で、子どものけテぶれの質は大きく変わってきます。
教師の考え方については以下の記事を参考にしてください。
3年生で実施してどうだったか
結論から申しますと、けテぶれを実践して本当によかったと思います。
子ども一人ひとりが自分に合った学びを日々探究し、実践し、成長していく姿を見ることができています。
もちろん、これからもどんどん成長して、「もう担任が何か言うことはありません。」という日が来るかもしれないと思っています。
テストカレンダーでテスト日を事前に公開していますので、子どもたちはそれぞれ対策をしてきて学級全体のテストの点数も上がりました。
けテぶれを目的にしてはいけない
ただ、けテぶれが難しい子ももちろんいました。発達段階的にけテぶれが難しい子はいます。それは悪いことではありませんし、無理にけテぶれをやる必要もないです。
ぼくのクラスでは、難しい子が2人いました。その2人には、個別にプリントを配り宿題としていました。
その二人のうちの一人は、国語は漢字プリントで算数はけテぶれです。
2人だったので、個に合わせた学習内容を、宿題として出すことができました。
決してけテぶれをやることを目的にしないでください。
けテぶれを通して「学習力の育成」を目指しているのであって、けテぶれをすることを目指してはいけません。
発達段階的に難しい子にとって、けテぶれを”やらされる”のは、これまでの一斉の”やらされる”宿題よりもつらいです。
また、これならやらされた方がラクという考えを強く持ってしまいます。
”今は”けテぶれをやるのが難しいだけです。無理やりけテぶれをやらせるのはやめましょう。
3、4年ならできる?
あくまで子どもの実態によりますが、3.4年生のいわゆる中学年の子どもたちあたりから可能なのではないかと思います。
最初はけテぶれの目的や進め方を理解してもらうのはなかなか大変ですが、慣れてきたら楽しく進められると思います。
ただ、けテぶれを目的にしないということは忘れてはいけないポイントです。
できない場合はどうする?
けテぶれが難しい場合でも、「学習力を身につける」ためにできることはあります。
それは、自分で丸つけをすることです。
丸つけをする力は、けテぶれで必ず必要になる大切な力です。
丸つけをすることによって自分がどんなところで間違えるのか、どんなふうに間違えるのかを確認でき、自分を知ることにつながっていきます。
(丸つけをする力についてはこちら→超重要!けテぶれに必須の力)
教師が見るポイントは、正しく丸つけができているかです。
できそうなら、どうして間違えたのかを書く「分析」も足してもいいのではないでしょうか。
このように少しずつけテぶれに近づくこともできます。
まとめ
・けテぶれは、高学年にしかできないわけではないが、学年が下がるほど難しいのも事実。
・担任が「待つ」ことができるかどうかはとても大事。
・子どもの実態に応じて、けテぶれ以外の方法を選ぶことも考える。
・3年生で実践してみて本当によかった。