(この記事は2021年1月20日に更新されました。)
「今の宿題のままで本当に子どもたちに力がつくのだろうか・・・」
「今のあの子にはこの宿題は難しいんじゃないか・・」
「家ではやっつけ仕事で作業的にこなすだけになっているんだろうか・・・」
そんな悩みを持つ先生方に向けて、今回は書いていきたいと思います。
目次
こんにちは。現在現役で公立小学校で教諭として働いている、たんくです。
今年の4月より、子どもたちのより良い学びの実現に向けて”けテぶれ”を導入しました。
ぼくは昨年度、新卒で教育現場に飛び込みました。今は教員2年目です。
今回はぼくが、一斉の宿題をやめて、けテぶれ学習法を導入するにいたった理由を書いていきます。
宿題について悩んでいる先生は、全国にも多くいらっしゃるかと思います。
みんなで知恵を出し合ったり実践を共有したりしながら、子どもたちによりよい教育をすることができればなと思います。
ぼくは少し遠回りしてしまいましたが、今これを読んでいる先生が子どもたちのよりよい学びに向かって一歩踏み出せるように願っています。
全員一緒の宿題を課す
ぼくは1年目の頃からずっと納得できなかったことがあります。
それは全員一緒の宿題を課すことです。
しかしながら昨年度はどうしていいかもわからず、全員一緒の宿題を、一年間子どもたちに出し続けていました。
また、その宿題の出し方で保護者からクレームをもらったこともありません。
事実として、自分が小学生のときにも全員一緒の宿題は当たり前でした。
保護者にとっても、全員一緒の宿題のあり方は当たり前だったのかもしれません。
違和感を覚え始めた
よく考えてみると(よく考えなくても分かるのですが)、子どもの学力は一人ひとり違います。
一人ひとり違う子どもたちにどのレベルの宿題を出すのか、毎日悩んでいました。
”どのレベルの宿題を出しても、そのレベルに合った学力の子どもしか意味がないのではないか”と感じ始めました。
中間レベルの宿題を出したところで、学力の高い子は簡単すぎるし、勉強が苦手な子にとっては難しすぎる。
全員一緒の宿題をやっていても効果は薄いのではないかと思いました。
しかし全員一致していることがありました。それは宿題を”やらされている”ということです。
頭ではなく手を使う作業的な宿題。面倒くさいということが大前提にあるような宿題。
こんなことをしていて何に意味があるのか。そう感じ始めました。
極めつけはコロナによる休校
新型コロナウイルス感染症による、全国の小・中・高・特支学校の休業要請がなされました。
僕の勤める小学校でも臨時休業の措置がとられました。そこで子どもの春休みが二倍になる分、教師たちは子どもの家庭学習プリントなどを早急に作る必要がありました。
確保できない宿題の”質”
プリントを精査する時間なんてありませんでした。夏休みより長い春休みの、家庭学習の”量”を確保することに精いっぱいでした。
そんなふうにプリントを印刷しながら、子どもに本当に申し訳なかったです。
質を保障できていない宿題。こちらがそのプリントを宿題に出す意図も薄くなってしまっては本当に意味がない。こんな宿題はやめる。と、ここで強く決意しました。
そんなときにもどうして量の確保に走ったかというと、その時の段階では子どもたちは自分で学ぶ経験をしたことがなかったからです。
休業中の宿題への取り組み
休業明けに保護者向けにアンケートがなされました。内容は休業期間中の子どもの生活について。
多くの保護者の方が答えてくださいました。子どもはなかなか宿題に身が入らなかったという回答が多数でした。
それも子どもからしたら当たり前のこと。家にはゲームがあるし学校は休み。一日中家にいて外にはなかなか出られない。
しかも宿題の量は多い。
今まで宿題を”やらされて”きた子にとっては、この宿題は自分に苦痛を与えるためのものでしかありません。
やる気が出ないのは当然のことであり、宿題をやらないことに対して親子関係でストレスもあったと思います。
学校や家庭で大人の目がないところにいると、子どもはまったく勉強をしようとしない。
この状態を見せられ、子どもの学習に対する考え方自体を大きく変える必要があると感じました。
一人ひとりに合った学びとは
ではどんな宿題を目指すか。もちろん一人ひとりにあった学びを提供できる宿題。
問題はどうやってそれを実現するかでした。
毎日学級の人数分の宿題を個別に用意するのは現実的ではありません。
なにより”やらされる意識を取っ払いたい”と思っていました。学習は自分のためにやるものであるという前提をきれいに忘れている。
よくやるのは週に何回か、もしくは週末だけ自主勉強をするというもの。これはぼくの勤める学校でも取り入れている学年はありました。
しかし自主勉強以外の日の宿題は教師から出される宿題でしたし、結局は出される宿題がベースになっていたので”やらされる”意識”を取っ払いたいぼくには合っていないような気がしました。
ぼくが採用したのは”けテぶれ学習法”
悩んでいたぼくは、いろいろとネット上で実践を探していました。
そこで”けテぶれ学習法”に出会いました。
けテぶれ学習法では、一人ひとりにあった学びを実現することができました。
また「学力をつけることを通して”学習力”を育てる」というけテぶれの目的に強く納得しました。
学習は自分のためにやるもの。そのことをけテぶれは大切にしています。
まったく”やらされる”学びではなく、自ら”やる”学びに変わりました。
まとめ
今ではけテぶれは、ぼくのクラスのトレードマークのようになっています。
けテぶれでは、教師が宿題を決めることはありません。
なのでもしもコロナウイルスの第二波、第三波がきて、再び休業になっても子どもたちは自分たちで学びを進めることができます。
本当に子どもたちの将来にとって大切な力を考えていくことが、教師の仕事であると思っています。