(この記事は2021年1月11日に更新されています)
「先生!けテぶれなんて絶対無理です!」
「先生が宿題作りをサボっているだけではないんですか?」
「うちの子にはこんなことできない!」
けテぶれを始めてから、こんな声が聞こえてきそうで怖かったです。
怖かっただけならまだしも、実際に疑問の声をいただきました。
こんにちは。現在現役で公立小学校で教諭として働いている、たんくです。
今年の4月より、子どもたちのより良い学びの実現に向けて”けテぶれ”を導入しました。
けテぶれを始める際に、保護者からの疑問の声がありました。
すぐにはできない?なかなか始められなかったけテぶれにも書かせていただきましたが、けテぶれを始めるときの不安要素の一つでした。
不安は的中したのです。けテぶれの概要を説明したプリントを配布した翌日、連絡帳にコメントをいただきました。
内容は以下の通り。
保護者
けテぶれのプリント読ませていただきましたが、私は正直この方法には疑問があります。○○(子どもの名前)が、自分で勉強する内容を決めてそれを実行することができないと思うからです。このやり方では正直かなり不安です。宿題についてもう一度考えていただくことは可能でしょうか?やり方に意見してすみません。
とても誠実に意見をしていただきました。
きっとこの保護者の方はお子さんのことを真剣に考えるからこそ、意見を言ってくださったんだと思います。ありがたいです。
結果として、今ではこの保護者の方と手を取り合い、一緒にお子さんの成長を見守ることができています。
この意見に対してぼくがどのように対応したのかを書いていきたいと思います。
目的は絶対にブレない
けテぶれの目的は、自分で目標に到達する「学習力」を付けること。
決してけテぶれをできるようにすることが目的ではありません。
保護者の方は、自分の子にできるだろうかという不安を持っていますので、けテぶれを強制させるつもりは全くないことをお伝えしました。
まず、けテぶれを導入することが目的ではなく、一人ひとりに合った学びを実現したいということをお伝えしました。
不安に寄り添う
その保護者の方の不安に共感しました。「家庭の不安を担任はしっかり理解している」ということをお伝えしておきたいと思ったからです。
また、その不安に対する策も提示させていただきました。
もともと、始めの方は一人ずつ計画を一緒に考えるつもりでした。(”どうしても相談したい!”という子どもは三日目ではいなくなりましたが。)
「待つ」ことが大事
保護者の不安とは逆に、その○○さんの初日のけテぶれノートを見ると、すごく頑張っていました。
なので、まだ1日しか経っていないこともあり、少し様子をみてもらえないかお願いしました。
これは担任からの保護者へのお願いになります。
次の日の連絡帳では、「けテぶれで様子をみたいと思います」とお返事をしていただきました。
また、「丁寧に返事をしていただき、ありがとうございます」と言っていただきました。
見られていたのは、方法ではなく担任のスタンス
けテぶれを方法として否定するような人は一人もいませんでした。
それをどのように進めていこうとしているのかを不安に思う保護者の方はいらっしゃると思います。
決して、けテぶれを目的化しないこと。保護者と協力して見守っていきたいこと。
このような担任の構え方をしっかり見せていくことが大切だと思います。
その保護者の方には、1学期の通知表の保護者記入欄に、以下のように書いていただきました。
保護者
○○は○○なりにがんばっていたのですね。親として、がんばっている過程をもっと認めていってあげたいと思います。
今では、定期的にけテぶれのようすを聞きながら協力体制で、お子さんをサポートしています。
まとめ
・けテぶれで「学習力をつける」という目的はブレない。
・保護者は協力者、不安にはしっかりと寄り添うことが大事。
・子どもの成長を待てる気持ちが必要。
・保護者が見ているのは、担任のスタンス。