(この記事は2020年12月29日に更新されました)
「コロナで漢字の遅れが取り戻せない・・・」
「クラスの子は、新出漢字が全然覚えられていない・・・」
「漢字を覚えることをめんどくさいと感じさせてしまっている・・・」
漢字の指導については、正解がありませんよね。
ぼくは毎日国語の時間に、漢字ドリルをみんなで数文字ずつ進めていくやり方をしていました。
しかし、テストで漢字が全然書けていない・・・
今回はぼくと同じような悩みを持つ先生方に向けて書いていこうと思います。
目次
こんにちは。現在現役で効率小学校で教諭として働いている、たんくです。
今年の4月より、子どもたちのより良い学びの実現に向けて”けテぶれ”を導入し、昨年度からは新しい漢字指導法を実践しています。
今回はぼくが漢字指導を変える起点となった、土居正博先生の著書で紹介されている”漢字ドリル音読”についてまとめていきます。
漢字ドリル音読と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?
漢字ドリル音読とは
漢字ドリル音読とは、想像の通り漢字ドリルを音読することです。
この漢字ドリル音読は、土居正博先生の著書
「クラス全員が熱心に取り組む!漢字指導法ー学習活動アイデア&指導技術ー」より学ばせていただき、実践したものです。
とても多くを学ばせていただいた一冊でした。
この漢字ドリル音読、国語の教科書の音読とは違うポイントがあります。
それはスピードをとても大切にしていることです。
そして子どもたちは、毎日速く音読しようとしているうちに、漢字の読みを音レベルで覚えてしまいます。九九を覚えるような感覚ですね。
ドリル1冊を丸ごと音読してしまうことを知ったとき、まだ習っていない漢字の音読もすることに驚きましたが、今ではそうするべきだと思っています。
漢字ドリル音読をやってみて
子どもたちは毎日真剣に取り組んでいます。
それにはきちんと理由があります。
毎日タイムを測定しているからです。
タイムを測定する
何分何秒で読めたのかを毎日記録していくことで、日々の成長が見てわかるようになります。
そうやってだんだん成長していくものって子どもたちは大好きですよね。(だから育成系のゲームにやたらとハマる。)
子どもたちのモチベーションの維持を考えて、タイムを測定することは必須であるとぼくは考えています。
効果が見られたエピソード
漢字ドリル音読の効果が見られたエピソードを1つ紹介したいと思います。
国語の授業で初めて「家」という字が出てきたので、子どもたちに「この字の読み方を全部言うよ。せーのっ」と言ったら、みんなで声をそろえて「いえ!か!け!や!」と答えてくれました。
読みが4つもある漢字の読みをすべて言えるのは素晴らしいですね。
しかも初めて授業で取り扱った漢字です。
また4つの読みがみんな同じ順番で出てきたのは、まぎれもなく漢字ドリル音読の成果だと思います。
音読の量が最大のポイント
昨年は上・下の2冊構成の漢字ドリルなので1冊の中で分けていましたが、今年は3学期分の3冊あるので、1冊全部音読するようにしています。
今は2学期ですので、2学期に習う漢字すべてを毎日音読しています。
教科書ではまだまだ先に出てくる漢字も、先に音読をしておくことは大きなメリットがあります。
これから習う漢字を知っておくことができる点です。
個人的にはこの点が漢字ドリル音読の最大のメリットであると思います。
毎日音読をしていると2学期に習う漢字を毎日見るわけですから、いざ習うときにも覚えやすさが全然違います!
音読を先行することは非常に効果を発揮します。
マンネリ対策
スピードを意識した音読であり、量も決められているのでマンネリにはなりにくいです。
しかし毎日行っているとさすがにマンネリ気味になってきてしまいます。
そこで行ったぼくの対策を紹介します。
制限時間をつける・短くする
特に時間が長すぎるとマンネリになりやすいです。
毎日音読していますので、子どもたちは日々タイムが速くなってきます。
そうなるともちろん残りの時間が長くなってしまいます。
そこでクラスの様子を見て、多くの子が読み終わるぎりぎりにタイムを設定しました。
子どもたちからの反応はとてもよかったです。
”自分の力を試したい”と思えるような環境をこちらが作ってあげることが大切です。
例文の音読も取り入れる
漢字はその字のみで意味をもつ表意文字です。使われ方にはある程度規則性があります。
漢字をイメージで覚えることもとても大切です。どんなときにその字が使われるのかを知っておくのは漢字習得への近道です。
そこで漢字の使われ方を学ぶために、漢字ドリルに載っている例文も音読にしました。
そうすることで漢字の読みの音読だけではなくなるのでマンネリ対策になりました。
また漢字の字自体だけではなく、その漢字の使われ方まで暗記する近道を作ることができました。
例文の音読でも同じようにタイムを測定していきます。
子どもたちに効果を実感させる
漢字を学んでいるとなかなか思い出せないときや、漢字が分からないときがしょっちゅうあります。
それは当たり前のことです。
しかし漢字ドリル音読を積極的にやっている子は、テストで漢字の得点が高いのも事実です。
いつも100点を取るような子は決まって漢字ドリル音読を一生懸命やっていますし、僕自身もその事実を積極的に広めています。
”漢字ドリル音読はただやっているだけではなく、テストや漢字の習得に直接つながっていくものなんだ”という認識を持ってほしいからです。
これもモチベーションを保つことができている一つの要因であると思っています。
子どもたちは意義がないことに意欲を示しません。”めあて”を積極的に伝えています。
まとめ
漢字ドリル音読は、子どもたちにとって楽しくて行いやすい活動です。
しかも自分の成長を日々実感できるツールでもあります。
漢字の定着を図るからこそ、ぜひ取り入れたい活動ではないでしょうか。