(この記事は2020年12月29日に更新されました)
「漢字を学習するのに子どもたちのやる気を引き出せない・・・」
「作業的にドリルを進めるだけになっていて覚えていかない・・・」
「子どもたちのやる気を引き出す方法はないか・・・」
そんな悩みを持つ先生に向けて、今回は書いていきますよ!
目次
こんにちは、たんくです。普段は公立小学校の教諭として働いています。
宿題では葛原祥太先生のけテぶれを、漢字では土居正博先生の漢字指導法を導入し日々実践しています。
今回は漢字指導法についてまとめていこうと思います。
漢字の学習をどのように進めていくのか、教師がどのようにチェックするのかはこちら↓の記事で!
受け身学習にサヨナラ やる気を引き出す漢字指導法
今回はやる気にフォーカスして書いていこうと思います。
なぜ漢字指導を勉強したのかから詳しく書いていきます。
そもそもなぜ漢字指導を学んだのか
今は教員二年目ですが、今の漢字指導は一年目の二学期から取り入れました。
一年目の一学期は、国語の時間にみんなで同じ字を学習するという風にやっていました。
自分が小学生だったころの経験でも、漢字はそのやり方しかやってきませんでしたので何も疑問に思うことなくやっていました。
しかしやっていても子どもたちは楽しくなさそう。
そして一学期の期末に漢字のまとめテストを実施しました。その結果は・・・
言えないほど悪かった
みんな全然定着してない・・・。
本来勉強は自分のためにやるものであって、漢字は大人になっても使う代表的なものですよね。
それを受け身で学ばせて、力を付けてあげられていない。ショックでした。
大切なことを何一つ伝えてあげられていないことに気づきました。
そこで夏休みを利用して漢字の指導法を勉強しました。そこで出会ったのが土居先生の本でした。
意外なやる気の出し方
漢字の指導法を勉強していく中で、子どもたちのやる気を引き出す意外な方法を学ぶことができました。
それは漢字を厳しく見ることです。
担任のチェックが甘いから、子どものやる気がなくなるのだと。
そういえば今までは、子どものやる気を引き出す(というよりも嫌になってほしくなかった)ために、多少雑な字は正解にすることもありました。
子どもがゲームに夢中になるのも、大人がパチンコに夢中になるのも「いつでも必ず勝つとは限らないから」だそうです。(神谷和宏氏「教師のための子どもが動く1コーチング50」)
それからは、漢字を厳しく見ることを決意しました。
スタート時の宣言
二学期が始まり、子どもたちに漢字のことについて話しました。
- これからは、自分たちで漢字を進めていくこと。
- たくさん進めたい人はどんどん進めていいこと。
- 先生のチェックを受けること。
- 先生のチェックはめっちゃ厳しいということ。
を子どもたちに先に話しました。
また先生のチェックが厳しいということはどういうことかもしっかり説明しておきました。
- なぞるところは、1ミリはみ出していた時点で即返すこと
- とめ、はね、はらいが1つできていなかったら即返すこと
- 字が間違っていたら即返すこと
- 丁寧じゃなかったら即返すこと
- 他のチェックでも答えられなかったら即返すこと
はじめは子どもたちからはブーイングの嵐でした(笑) 「えー!1ミリも!?」など。
しかしそれだけ厳しく見るということを最初に教師が宣言しておくことがとても大切だと思いました。
そして実際に子どもたちに宣言したことは必ず守らせました。
”宣言しておいた分だけ子どもたちは丁寧にやってくるから、汚くても頑張った結果なんだな”と考えていると、子どもたちは簡単にサボり始めます。
子どもたちは嫌いなりそうな顔をすることもありましたが、先に宣言しておいたことに基づいているので文句を言ってくる子は一人もいませんでした。
実践して気づいたこと
実際にチェックを始めていって、気づいたことがあります。
それは、字の汚い子に限って「めちゃめちゃ厳しいんだけど」と言うということです。
ひらがなもしっかり書けていない状態で、ひらがなにチェックをつけられて「厳しい厳しい」と言われても困ってしまいます。
一学期にこちらが甘く見ていた分、責任をもって厳しく見させていただきます。
きっと今まで字を丁寧に書くという意識が全くなかったから、厳しく感じるんだろうなと思いました。
まずは上手く書くテクニックよりも、丁寧に書く意識を育てることの方が大切であると思いました。
そのためには、やはりこちらがしっかりと厳しく見ることが大切です。
粘り強さが身につく
今まで適当に書いていた子たちにとっては最初はしんどいかもしれませんが、字を丁寧に書く意識を育て、粘り強さを教えるいいチャンスになると思います。
このように教師が厳しく見ることで、漢字以外にも心を育てることにつながっていきます。
自分で学ぶ基礎ができる
教師のチェックを受ける前にも、チェックを受けるために並んでいるときにも、書き順を確認したり、とめはねはらいを自分で確認したりしています。
なぜなら、どこかで一つでも引っかかろうものなら並びなおしになるからです。
そのようにして子どもたちが自分で学習をする基礎ができたなと感じます。
今までは言われるまで一切やらなかった漢字ですが、チェックで間違えないように自分で復習を重ねる姿勢が身に付きました。
復習にもやる気が出る
朝の時間や、隙間時間にクラス全体で復習をする時間を作っています。
この復習にやる気が出るのです。なぜでしょうか。
新しい漢字指導法を取り入れてからは、授業の時間に一斉に漢字を習う時間はとっていませんし進み具合も人それぞれです。
自分が一人で頑張ってきたことを見せるチャンスなのです。これはやる気が出ますね。
ここで定着していることが分かると自分でもうれしい気持ちになりますし、逆に間違えるとうんと悔しいです。
悔しさがあると日々の自分の意識を見直すきっかけになります。
復習でやっているのは空書き
隙間時間の復習でやっているのは空書きです。漢字ドリルの例文から問題を選び、黒板に穴埋め式で書いています。
問われているところを子どもたちが、空書きするような感じです。
ドリルのページを明確にしてさらなる復習につなげる
空書きの問題を出すと同時に、それがドリルの何ページに載っているのかを書いておきます。
そうすることで、書けなかったときに自分のドリルのそのページに印をつけておくことができます。
自分が書けなかった漢字ですので、チェックが増えていくと「また間違えたか!」と自分で確認できます。
また、間違えた漢字を宿題のけテぶれで学んでくる子もいます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は漢字指導のやる気を出すことについてまとめてみました。
漢字の学習を教師が厳しく見ることが、やる気を引き出し漢字の定着につながります。それだけでなく、漢字への意識を見つめなおすことや粘り強さを身に付けることができ、学級経営につながってくる大切な視点です。
けテぶれのように、ある程度子どもたちに裁量を与えることが大切です。
まったくやらない子のために、最終期限だけ見めておくなど最低限のサポートをしたらあとは子どもに任せてしまいましょう。